「鍼灸」というワードの認知度は昔に比べて高くなってきています。
最近はテレビ番組「試してガッテン」でも取り上げられるなど、メディアでも見かけるようになりました。
鍼灸といえば、ぎっくり腰や五十肩などの痛みに対する治療
内臓疾患や体調・自律神経系に対する経絡治療に分かれます。
今回の記事では、なぜ鍼灸治療が痛みに効果的なのかを説明していきます(^^)/
痛みに効くメカニズム
鍼灸治療は身体の反応を利用したものです。身体の表面に刺激を鍼や、お灸による熱刺激をあたえ、病気を治療・予防します。
鍼や灸で身体の一部を刺激すると、中枢神経の中にモルヒネのような鎮痛効果を持ったホルモン(内因性オピオイド)が放出されるため、痛みを脳に伝える神経経 路をブロックします。これによって、腰痛・膝痛などの痛みをやわらげます。
はり刺激は筋肉に微小な損傷を与えることで、感覚神経 を刺激すると共に、筋肉や血管から様々な血管拡張物質を 放出させ筋循環を改善します。
筋肉の緊張をゆるめ、施術箇所周辺の毛細血管を拡張し、新陳代謝を高める効果もあります。その結果、たまっていた痛みの原因となる疲労物質や、老廃物が流されて、筋肉の疲労が回復します。
灸の場合は、血行促進効果がメインです。
血の巡りが良くなることで、血液中に免疫物質が分泌され、造血作用が促進されるといった仕組みが働き、痛みを改善します。
鍼灸治療で得られる効果は、マッサージやカイロ、整体などの体表からしか
アプローチ出来ない治療とは違い、直接原因の筋肉を緩めることが出来るの
で、
大きな効果が期待できるのです。
針刺激によって与えられる影響としては他にも、筋肉の緊張が緩んで血液の巡りが良くなることで症状が改善します。
こりをほぐすためには脱力が大事ですが、「体の力を抜く」ことは意外と難しいもの。鍼灸によりアプローチすることで、体の緊張をほぐす効果も期待できます。
温めることで改善を早める
血行が良くなり免疫力がアップ
体に温熱刺激を与えることで、皮膚の下にある筋肉や血管、リンパ節が
刺激されます。すると、細胞が活性化され、免疫作用がアップするほか
リンパの流れが改善されるので、むくみの解消にもつながります。
さらに温熱効果によって血管が収縮・拡張し、充血や貧血を調整して
炎症をやわらげる効果もあります。
体のさまざまな症状の改善
360以上あるツボにはそれぞれに作用があります。それを刺激することによって
冷え症や肩こり、腰痛、目の疲れ、むくみ、ストレス、不眠、自律神経系
などといった体のさまざまな症状の改善が期待できます。
鎮痛、リラックス効果
もぐさの有効成分として注目したいのがシネオールという精油成分や
ヨモギのほかユーカリが含まれており、強力な消毒・殺菌・鎮静・鎮痛作用
などがあります。お灸をすることによって、この成分が皮膚の表面から
内部に浸透していくので痛みを和らげるなどの効果が期待できるのです。
ちなみにこの成分は、もぐさを燃やした際にでる煙にも含まれており
またもぐさの匂いにはリラックス効果もあります。
お灸の効果を高めるためには煙も大切な要素だといえるでしょう。
鍼灸の適応疾患
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神経系疾患
- 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
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運動器系疾患
- 関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
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循環器系疾患
- 心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
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呼吸器系疾患
- 気管支炎・喘息・風邪および予防
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消化器系疾患
- 胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
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代謝内分秘系疾患
- バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
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生殖・泌尿器系疾患
- 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
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婦人科系疾患
- 更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
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耳鼻咽喉科系疾患
- 中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
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眼科系疾患
- 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
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小児科疾患
- 小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善