鍼灸治療と関節の痛み
肩や膝など関節の痛みを訴えられる方が多くおられます。
しかし患部をマッサージするだけでは痛みがとりにくい症状も多くあり、そのような場合当院では鍼灸治療をお勧めしております。
鍼灸治療と聞くと怖い印象もあるかと思いますが、とても効果的な治療方法ですので、鍼灸とはどのようなものか?こちらのブログでご紹介します。
鍼灸治療とは?
鍼灸施術とは、鍼や灸を用いて、主に「ツボ」と呼ばれる経穴に物理的な刺激を与えることによって起こる身体の反応を利用するもの。病気や症状の原因となる生体機能の変調を正して改善し、身体を癒し、疾病予防も行う施術法です。近年では多くの医療関係者が鍼灸に注目し、そのメカニズムについての研究も進められ、
科学的根拠のある施術法としてWHO(世界保健機構)にも認められています。
鍼灸施術は様々な効果があるといわれています。特に下記のような効果があります。
- 身体機能を調節する:機能低下している状態を活性化させる作用や、痛みなどの身体の機能が異常に亢進している状態を抑制させる作用が期待されます。
- 血行改善:肩こりなど血流が滞っている患部や症状と関連する部位への施術で、血行の改善が期待されます。
- 免疫力向上:細菌やウイルスなどが体内に侵入した際に身体を防御するのが白血球やリンパ球などの免疫細胞です。鍼灸施術により白血球の数を増やしたり、免疫細胞を活性化させたりすることにより、免疫力が向上し、病気の施術とともに病気になりにくい体質への改善が期待されます。
- 美容:鍼灸施術により新陳代謝を活発にして皮膚の機能改善をはかったり、顔面への刺激で表情筋を引き締めてリフトアップしたりする効果が期待されます。
また、上記でも記載しましたが、WHO(世界保健機関)が提唱した鍼灸の適応症が以下の項目です。
【神経系疾患】
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
上記疾患のうち「神経痛・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腰痛」の慢性症状について、鍼灸の健康保険の適用が認められています。
どのような肩の痛みに鍼灸治療は効果的?
肩の痛みの原因には様々なものがあります。
肩こり、五十肩(肩のこわばりや痛みが主な症状)、インピジメント症候群(腱が肩甲骨に擦れる)、腱炎(腱付着部に負担がかかり炎症)、腱板断裂などです。
炎症や痛みの場合は鍼灸治療により痛みの軽減、早期回復に効果的です。
ただ断裂してしまった腱や痛めた軟骨などは回復が難しいです。
当院では理学検査や肩関節の動きや痛みの部位からその病態を把握し、患者様に説明しており、適切な治療ができるように努めています。
どのような膝の痛みに鍼灸治療は効果的?
膝の痛みの原因になる病気にはこのようなものがあります。
変形性膝関節症、関節炎、偽痛風、スポーツ障害、成長痛などです。
肩の鍼灸治療でも記述しましたが、炎症や痛みの場合は鍼灸治療により痛みの軽減、早期回復に効果が期待できますので、気軽にお問い合わせください。
治療後の過ごし方
鍼灸治療後はできるだけ安静に過ごしていただき、運動などはお控えください。
お風呂について質問されることが多いのですが、感染症などのリスクはありませんが、鍼灸施術により体のバランスを整えていますのでその日は長めのお風呂を控えて、シャワー程度に留めることをお勧めしています。
通院頻度
症状や状態により頻度は様々ですが、慢性の症状の改善に最初のうちは1週間以内の施術をお勧めしています。