子どもの肘が抜けた!!!!
日常の中でも比較的頻繁に遭遇する子どもの肘の脱臼。
正式名称は【肘内障(ちゅうないしょう)】と言います。
日常の中で頻繁に遭遇するからこそ、どのような状況、どのように発生するのか、どのように対処するのか、一通りの知識を持っておくのは大切かと思います。
Q 何歳くらいの年齢に多いの?
Q どのような原因でなるの?
Q 肘のどの部分がどうなっているの?
Q どんな症状があるの?
Q 自分たちでできる処置は?
Q 予後はどうなの?
今回はこのような事についてまとめていきます。一度なった事がある子供は反復的に発生しやすいので、そのような方は特に備えておきましょう。
好発年齢
発生しやすい年齢は2歳から7歳くらい(多少前後します)です。
10歳くらいになっても繰り返すお子様は、肘の構造などに問題がある可能性があるので、整形外科で検査をおこないましょう。
発生原因
子どもは常に予測不可能な動きをします。
手を繋いだ状態で走り出したり、急にしゃがみ込んだり。
そのような時に肘が急に伸びて脱臼をします。
よく一緒に遊んでいて、両手を持ったまま回したり、高い高いをしている方を見かけますが、あれで脱臼をする子どもも多くいます。
その他には転倒した際に手をついてしまい、それが原因で発生する事もあります。この場合は鎖骨や他の部分の骨折をしている可能性もあるので、発生した原因は詳しく把握するようにして下さい。
発生個所
腕の骨は上腕部に上腕骨、前腕部に親指側の橈骨(とうこつ)、小指側の尺骨(しゃっこつ)があります。
この上腕骨、橈骨、尺骨が合わさっている所で、橈骨は輪状靭帯(りんじょうじんたい)という靭帯で固定されています。
しかし手を思いきり引っ張ったなど、何らかの衝撃が加わった時に輪状靭帯から橈骨が外れてしまいます。この状態が肘内障です。
症状
来院される子供を見ていて共通するのは、腕をだらんと垂らして全く使いません。
腕を下げると痛みが無いのでその状態になります。その状態でいると痛みが無く泣き止むので、良くなったと勘違いする方もおられますが、治った訳ではないので注意してください。バンザイなどをさせると腕が上がらないので分かり易いかと思います。
応急処置
肘の治し方は比較的簡単ですが、経験が無い方が急に治すのは難しいかと思います。なのでアイシングをして安静にして、整形外科、整骨院に受診しましょう。
ネットなどで肘内障の治し方で検索すると、画像、動画がたくさん出てくるかと思います。もしそちらを見ながら治した方でも、靭帯を痛めていたり、腕や鎖骨にヒビが入っていたりする事もあるので、整復ができてもその後専門医への受診をお勧めします。
予後
予後は整復後すぐから腕を使えるようになります。
しかし最初は子供も痛みの恐怖があり、腕を全く使おうとしません。
そのような場合は時間をかけてリラックスさせましょう。治す時にも痛みがあるので肘を触られる、動かす事にかなり敏感になっています。そのような場合は好きなおもちゃで遊ばせてあげて下さい。そうする事によって肘の事を忘れて遊ぶようになります。
その際に腕を使っているか、お菓子などを渡したりして脱臼した方の腕で受け取るかなど、様子を見るようにして下さい。
最初にも書きましたが、肘内障は一度なると反復しやすい傷病です。その後は手を引っ張るなど、脱臼の原因となるような動作は避けるようにして下さい。
まとめ
肘内障は比較的頻繁に起こりますが、整復をおこなえばその場で動かすことができ、基本的には障害も残りません。
どのようになったのか把握するようにして、その後反復しないように注意しましょう。