猫背姿勢・骨盤の歪みから全身に不調
・骨盤が歪むと色んな所に不調が出る。
・猫背になると肩こりだけじゃなく、腰痛の原因になる。
このような言葉をよく聞くかと思います。しかしなぜ直接的な部分だけではなく、全身の離れた様々な所に不調が出るのか?
それは『筋膜』という膜が全身の色んな所で繋がっているからです。
最近『筋膜』という言葉をよく聞きませんか?
筋膜リリースなど治療業界でも取り上げられることが多く、TVなどでも特集されているので、施術家じゃなくても聞いた事ある方が多いかと思います。
その筋膜、なんとなく「筋肉を覆っている膜」というのは連想できると思いますが、なぜ重要なのかまでは理解できていない方が多いかと思います。
今回はその筋膜についてご説明していきます。
全身は筋膜で繋がっている
筋膜とは筋肉を覆っている膜ですが、単に覆っているのではなく身体を使う時に全身を使えるように繋がっているのです。
分かりにくいですよね?
例でいうと、ボールを投げる動作。基本的に肩と肘の関節使っていると思いますが、本当にそれだけでしょうか?
単純に肩と肘のみを使ってボールを投げると全然飛ばないと思います。
蹴る動作も同じです。単純に膝の曲げ伸ばしだけでボールを蹴ると力なく転がるだけになります。
人間の動作は無意識のうちに全身を使っています。
投げる際も肩の関節だけじゃなく肩を後ろに引いた時は背中の筋肉、前に振り下ろしたときは胸筋、腹筋など前側の筋肉。
蹴る動作も振りかぶった時は太ももの裏とお尻の筋肉、蹴り上げた時は太ももの前と腹筋など、全身が連動して動きます。
その動きを生み出すため働いているのが筋膜です。筋膜が様々な筋肉と筋肉を膜で繋ぎ、全身の動きを生み出しています。
ここからは全身の様々な筋膜を紹介していきます。
身体の前面
前側はこのような走行になっています。
首からお腹、股関節から足先。
姿勢を維持する働き、とっさに身をかがめる時などに働きます。
身体の後面
後ろ側の走行です。
頭から足の裏まで繋がっています。
前面は骨盤の部分で上と下で分かれていますが、後面は骨盤の部分で靭帯で繋がっているので、全体的に連動しています。
腰の疲れが脚の筋肉の疲れと関連しているという事もよくあります。
この部分は立ち姿勢の維持に大きく働いています。
身体の側面
こちらが側面の走行です。
首の付け根から足の土踏まずまで繋がっています。
この筋膜は身体の安定性を保ってくれています。
様々な動きの中で左右に安定性がないと、すぐ右にぶれたり、左にぶれたりしてしまいます。この筋膜がしっかりしている事で、身体や膝の曲げ伸ばしをしても、ぶれずにまっすぐ運動ができます。
身体の螺旋
こちらの筋膜は特徴的で、首の付け根から始まり螺旋状に足まで下りていき、また螺旋状に首までかえっていきます。
この筋膜は身体を回旋する動作の際に働きます。
日常生活、スポーツ、様々な場面で身体を捻ると思います。
特にスポーツは野球にしてもサッカー、テニス、殆どのスポーツが身体を捻るので、使わないスポーツは無いかと思います。
上肢(肩~腕)
こちらも複雑ですが、首・胸から指先まで繋がっています。
肩は可動域が広く、色んな角度に動かすので各方向から筋膜で繋がっています。
肩の動きを良くするのに、胸と腕もほぐさないといけない。親指の腱鞘炎でも胸や二の腕に原因がある。など細かく連動しています。
まとめ
身体の不調は特定の部分に現れますが、このように全体に目を向けると身体は色んな所と繋がっています。
『肩が痛いから肩をマッサージ』効果が全くないわけではありませんが、痛みを繰り返すなど根本的な治療にはなりません。
このような筋膜の走行を知り、自分でも意識しながらストレッチ、動作を行うとケガの予防にもなり、スポーツなどのパフォーマンスの向上にも繋がります。
難しい内容ですので、理解がし難い場合はお気軽に御相談下さいね。